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SewiGの日記

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2005-05-13 [金] [長年日記]

[Venture] 組織が崩壊するとき

ベンチャー企業の経営で難しいのは継続させることだとよく聞きます。創立者が退社してしまうと、創立者の思想が受け継がれず、目的を失った労働者は何をしていいのか分からず退社していき、誰も居なくなります。ハーツバーグの二要因理論によれば、人の欲求は「衛生要因」「動機づけ要因」の2つに分類できます。衛生要因とは仕事の環境、つまり給与・労働時間・人間関係です。一方、動機づけ要因とは仕事それ自体、つまり仕事内容・仕事のやりがい・評価される仕事です。ところが創立者が退社してしまうと、動機づけ要因が消えるのです。なので欲求が満たされず人は退社するのです。その前までに創立者並のカリスマを持ち合わせた人材を育成できるかどうかが存続の鍵になります。動機づけ要因もなく仕事を機械的に処理し、向上心が無いようであれば組織を潰してしまったほうが良いのです。

そもそもなぜ組織が必要なのかと言えば、目的達成行動である実行を妨げる障害を乗り越えるためです。組織に属し、協働することで個人の生物的能力の限界を解消することができます。退社する人が増えれば増えるほど、また、やる気のない人が増えれば増えるほど協働が行われず、やがて組織は崩壊します。

同じ状況は何もベンチャー企業に限った話ではありません。今までの業務とは無関係の企画が提案されるかもしれません。これによって、新たなノウハウを積み上げなければならない点はベンチャー企業の立ち上げと何ら変わりはありません。ナムコはバンダイと経営統合しましたが、もしかしたら異業種と経営統合する状況もあるかもしれません。この場合もやはりベンチャー企業の立ち上げと状況は何ら変わりはありません。

特殊なケースだと思われるかもしれません。しかしそんなことはありません。ナムコはゲームばかりでなく、アミューズメント事業の延長でかつ飲食業という異業種である「フードテーマパーク」を展開しています。ネットワーク分野でも、旅行情報サイトの「ナムコポーロ」があります。いつ新分野に関わってもおかしくないのです。


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